相場の乱高下にお疲れかもしれません。そこで今日は心の平静を得るためのマインドフルネスについての本をご紹介します。
この本の著者は、ティク・ナット・ハンというベトナム人の禅僧です。私が最初にこの禅僧の存在を知ったのは、たまたまつけていたテレビ番組でした。多分番組も終盤だったと思います。そんなに大人数ではない集いで、ハン禅僧がお話されている模様を番組で放送していました。そこで話されていた1つの話がとても印象的でした。
ベトナム戦争に行っていたある米兵が、この禅僧に心のうちを明かします。自分はベトナムで同僚が殺されるのを見て、ベトナム兵に報復しようと毒入りサンドイッチを目立つところに置いたと。ベトナム兵がそれを食べて死ぬのを見届けるために、近くに隠れてサンドイッチの行方を見守っていた。そしたら、ベトナム兵ではなく、お腹を空かせたベトナム人の子供たちがそれを食べてしまい、苦しんで死んでいくのを目撃してしまった。それ以来その元米兵は、罪の意識から毎晩眠れず、苦しむようになってしまった。母親にだけこの話を明かし、母親は、戦時中のことだったから仕方がないと諭すが、元米兵は、そのように言われても一向に精神が休まらなくひどく苦しんでいた。
ティク・ナット・ハンさんは、そんな元米兵に対して、亡くなってしまったベトナム人の子供たちに対して、今できることはないけれど、これから、何もしなければ死んでいくかもしれない境遇のベトナム人の子供たちを救う活動はできる。そのことに専念したらどうかと提案します。それ以来、その元米兵はその活動に専念するようになり、夜も眠れるようになりました。
『的を射る』とは、まさにこのことだなぁと心から思いました。的を射たアドバイスです。その人にとって、ど真ん中の助言です。
ほんの少しだけ見たTVの放送に感激し、ハンさんの本を2冊ほど読みました。
ブッダ 愛の瞑想
KADOKAWA/角川学芸出版
売り上げランキング: 309,980
和解 -インナーチャイルドを癒す
売り上げランキング: 3,017
マインドフルネスというのは、自分の意識を「今、ここに」向けることです。今やっていること、今この瞬間に全意識を注ぐことです。例えば自分の呼吸、息を吸う行為、吐く行為、それぞれを意識しながら行えば、自分の意識を「今、ここに」向けることができます。私たちの意識はしょっちゅう、過去や未来に飛んでしまいます。まだ来ぬ未来のことを憂えたり、過去の出来事に囚われたり。未来や過去に囚われても、今この時点では仕方がないのに、意識的、無意識的に囚われてしまいます。そこから自分を解放させるために、「今この時」にやっている行為に全意識を向けるということを意識的に行うわけです。
具体的に言うと、
「息を吸い、体に気づく。息を吐き、体全体に微笑む。」、また
「息を吸い、入ってくる息に気づく。息を吐き、出ていく息に気づく」
「息を吸い、体全体に気づく。息を吐き、体全体から力を抜く」。
身体の各部位それぞれにやっても良く、「息を吸い、耳に気づく。息を吐き、耳に微笑む。」など。対象は、体だけでなく、自分の感情や他のことでも良いのです。
「息を吸い、内なる幸福に気づく。息を吐き、内なる幸福に微笑む。」
「息を吸い、私の中に苦しみ、絶望感、不幸せな気持ちがあると知る。息を吐き、内なる苦しみを抱きしめよう。」
他にもたくさん本を出版されています。一読されてはいかがでしょうか?
投稿者プロフィール

- 何年やっても損切りできない下手くそです。
最新の投稿
shirobun2018.11.25映画 「ボブという名の猫」
shirobun2018.11.18本 マインドフルネスについて
shirobun2018.11.10本 「世紀の相場師 ジェシー・リバモア」リチャード・スミッテン著
shirobun2018.11.03本 生涯現役の株式トレード技術 優利加著